造り手さん訪問記
2025年7月15日

2025年6月ワイナリー訪問~長野 南方醸造さん編~

南方醸造、曽我さんは中川村ご出身。ドメーヌ・オヤマダの小山田さんに師事され、2021年に自身のワイナリー設立。高いクオリティーで注目を集める人気のワイナリーで、私もファンの一人です。

中川村、伊那谷と呼ばれる地域は中央アルプスと南アルプスに挟まれ、村の中心部には天竜川が流れるとてもきれいな村です。名古屋在住時代からここ数年、中川村は何回も訪問していますが、小松屋の皆さんと一緒行くのは初めて。とても楽しみにしていました!まずはぶどう畑で曽我さんと待ち合わせ。畑やワイン造りについてお話されている時の真剣な眼差しとこぼれる笑顔が印象的で、静かに、でも情熱的に、丁寧にお話ししてくださいました。

畑は転げ落ちそうな急斜面。作業などで畑を隈なく1周すると高野山登山と同じくらいの高低差を歩いたことになるそう。これは足腰が鍛えられる!

赤はシラーとカベルネフランがメインで、他にメルロ、カベルネソーヴィニヨン、ムールヴェードル、ガメイが植えられています。今はカベルネフランが熟すタイミングに合わせて収穫、混醸していますが、シラーは除梗せず全房発酵で、フランは除梗して品種ごとに醸造したいんだよね。とお話されていました。多品種あるけどそれぞれクラシックな造りがしたいと。シラーとヴィオニエで日本版エルミタージュってのも面白いよね、とも!白はサヴァニャンとシャルドネ。昨年はサヴァニャンが8月の台風の被害を受け、今年もその影響があり来期に期待とのことです!2023ヴィンテージの赤はすごく出来が良かったとの事で、発売はまだこれから。楽しみですね!

畑のまわり一帯は花崗岩で、ぶどう畑は急勾配の粘土質。雨により土壌が流され、なかなか土が育たなかったそうで、2年ほど前に土壌改良のため、有機土木工事をされたとのこと。土中の環境を整える事により微生物も元気になり、葉の色艶も良くなったそうです。竹筒を2メートル間隔で土中に埋め、畑の下部には石を小さな石垣の様に圧力分散しながら敷き詰めるなど・・・詳しくお知りになりたい方は「土中環境」という本を曽我さんに紹介いただいたのでそちらをぜひ。以前は無施肥、無農薬にこだわっていましたが、今は必要な分だけ補うための有機物などを使用しながら畑全体の環境を整える事を第一に考えているとの事です。

その後ワイナリーへもご案内いただきました。元々キノコ工場だったという醸造施設。委託醸造も行っており、近隣の若手醸造家の方が集まる場として、情報交換や、お互い切磋琢磨しながらワイン業界を盛り上げていらっしゃいます。

お忙しい中、ご案内くださいました曽我さん、ありがとうございました!

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