Category: 岩ちゃんのフランス在住記
ボンジュール、がんです。

まだまだ寒い日が続きますが、畑は少しずつ春らしくなりつつあります。




カルカッソンヌ近くの畑ではもう萌芽(=ぶどう樹の芽が出ること)が始まったんだそう、例年よりも一ヶ月近く早いペースだそうです。
今年の冬は暖冬だと周りは言っていますがこのアシニャン村だけは異例なのか、
もちろん2月の中旬でももう春のような暖かさの日があったりもするんですが、
急な寒波で真冬の寒さに舞い戻ったりと、非常に不安定な天候です。

がんはフランスに来てからというもの暖房にはけっこう貧乏くじを引くことが多く、
今の家もしかり、暖房の効きが悪く部屋の中でも吐く息が白いことがしょっちゅうです。
そんな時は食事と飲み物で身体を内側から暖めるように努めていますが特に飲み物代(=酒代)が家計を圧迫しているという現状です。

今回はワインとは少し離れますがこんな事もしてますよーっていうお話です。
12月の中旬ごろでしたか、ふいにレミーが、
「これから2,3日は鴨合宿やからとりあえず明日は5時集合な。」
とのこと。

AM5:00
鴨合宿って何だ?! と思いつつもその言葉に従ってカーヴに行くと近所のワイナリーの方が数名。
レミーの車に乗り込んで西方面へと進みます。
行く道中で話しを聞いてみると、
毎年この時期に知り合いのワイナリー仲間何人かとで鴨を共同で仕入れてパテなんかの保存食を仕込んでるみたいです。
それで今は鴨を仕入れに鴨の名産地の一つ、ジェール地方に向かっているようです。
地図でいうとこの辺り、アシニャン村から約3時間の道のりです。
 

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i-phone のスクリーンショット機能をつい最近知りました...

AM8:00

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鴨生産者宅に到着です。

先に言っておきますが、僕らには全く普通な光景なんですが、
見慣れていない方には若干ショッキングな写真があるかと思いますのでご注意ください。

仕込み部屋にはもうすでに鴨さん達がスタンバイしてました。

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大まかな部位はもう捌かれている模様。


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フォアグラもこんな塊がどどーんと。

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なので僕等は鴨の脂を仕分ける作業へ。
さすが立派なフォアグラを持ってた鴨さん、肝以外にも体内には脂がびっしり詰まっているのでその脂を選り分けます。
脂は別でとっておいてコンフィなどに使うようです。

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そんな作業を黙々と2時間ほどやって4ワイナリーで計30匹分の鴨さんを積んで出発。
PM14:00
アシニャン村へと戻り今年に新築したドメーヌ・マドゥラさんのカーヴで仕込むことに。


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保存用の瓶や真空パック用の機械なんかも揃っていてかなり年季が入った段取りです。

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こっからどんどん仕込みが始まっていきます。
こちらはモモ肉と手羽、砂肝のコンフィ作り。 
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こちらは端っこ肉をこそげとるチーム。
鶏ガラならぬ鴨ガラに残った肉を削いでパテやリエットに使います。


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残ったガラも無駄にはしません、香味野菜と共に煮込んで鴨スープを取ります。

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これはグラトンの仕込み、細かく刻んだ鴨の皮を脂で揚げたものです。
日本でいうところの鳥皮から揚げみたいなものでしょうか。 
こちらラングドックではアペリティフの定番の一品、サラダにも混ぜたりするそうです。


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こちらは鴨パテの仕込み。
鴨の肉だけだと脂身やコクに欠けるので豚の喉肉(いわゆる豚トロとかその周囲にあたるようです。)
をミンチにして足してやります。
豪快に混ぜ込んでいるのはこの会の発起人でもあるフィリップさん。
ワインの造り手ですが料理も大好き、娘さんも星付きレストランの料理人だそうです。

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瓶に詰めて密閉してから熱湯で小一時間沸かして長期保存できるよう密閉します。

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屋外にはこんな道具も、燻製機で鴨胸肉のスモークも作ったり。

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グラトンやコンフィに使った鴨脂も漉してパック詰めします。
これでジャガイモを揚げると最高なんだとか。

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更にはその鍋の底に溜まったシュックと呼ばれる部分もこそげとってパックに入れます。
これは鴨の旨味の沈殿物、いわば天然の旨味調味料なんだそう。

何かもう、鴨の旨味を1滴も無駄にせえへんで~、っていう気迫が伝わるくらいの徹底ぶりです。
これがフランス人か、と食に関する貪欲さに感心させられます。
よぅし、その鴨脂で揚げた美味しいジャガイモを味わったことのないコーキに味あわせてやろうじゃないか、と始まりました、はい、ご飯会です。

お肉は塊で炭火焼き、こっちの人はホントこの焼き方が好きみたいです。


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盛り上げ隊長のレミーが切り分けて、いただきます。


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例の鴨脂で揚げたフライドポテトと肉。
あくまでメインはジャガイモ、お肉は脇役だそうです。笑

ポテトを一口、あーなるほど、な鴨の風味とコク、これは間違いない美味しさです。
もちろんお肉もジューシー、しかもワインは各々の持ち寄り、
こんな贅沢が日常にあるというのは羨ましい限りですね。

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更にはお手伝いしたお駄賃代わりにお土産までもらいまして、フランス人の美食精神をたんまりと
注入された年末でした。

 

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