Category: 岩ちゃんのフランス在住記
ボンジュール、がんです。

アシニャン村周辺では秋口に入ったあたりから週末、蛍光オレンジの帽子やジャケットを羽織った
おっさん達がうろうろとし始めます。
このおっさん方は狩り、特にイノシシ狩りをしているんです。
この辺りは猪がよく出るようで10月頃から3月頃まではこうした狩りが盛んに行われます。
かくいうウチのスタッフ、ジャックもその一人、三度の飯よりも狩りが好きな自他共に認める狩人です。
仕事大好きなジャックですが、狩りの期間だけは有無を言わさず毎週3日の休みを取って
いそいそと狩りに出かけています。

以前その狩りで捕まえたという猪肉をジャックから少しいただきましたが、
さすが野山を駆け回っている猪くん、脂身はほとんどなく肉も赤みがかった色合い、
少し歯応えがありますが噛むほどに旨味が溢れる美味しいお肉でした。

一度猪を味わってからというもの、週末になる毎にジャック達の大漁、いや大猪、を祈願しているがんです。

さてさて、前回の続きですね。
キュベブー徹底追跡カーヴ編です


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さてこのプリプリに実ったサンソーのブドウ達、収穫されたのは9月22日。

スーリエでの収穫でいうとそろそろ終盤に差し掛かったかなという時期でした。


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ブドウの房は収穫の時点で除梗されて実だけの状態でカーヴ内へと移されます。

2015年は本当に天候に恵まれて大きな病害などもなく、こうして見ても傷んだブドウ粒が全然ありません。

カーヴではブドウ粒を軽く破砕して容量130hl (=13000リットル) のステンレスタンクへと送られます。




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ブドウをタンクに入れ終わったらすぐに糖度を測ります。


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数値は何と、1092ポイント。

これは潜在アルコール度数(=糖分が全てアルコールに発酵しきった時の度数)

が約13,5% ということで、

一般的なサンソーのアルコール度数が11~12%というのを考えると非常に熟しているということが分かります。

しかもこれだけしっかりと熟していながらもしっかりと酸が残っているんです。

ぶどうジュースの時点でもこの熟度と酸のバランスは感じられましたが、この時点で既にすんごく美味しいんです。

ところで前回でも触れましたがこのサンソーというブドウ、巨峰のように実が大きいので他の品種に比べて
色が出にくく、一般的には味の密度に欠ける、平たく言うとシャバシャバなワインになる事が多いです。

左がサンソー、右がメルローのぶどうです。


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より味わいの深いワインを造るためにしっかりとぶどうが熟してから収穫する、というのは先ほどの糖度で分かるかと思いますが、

さらにスーリエでは最初のフリーランのジュース(=プレスをする前に出てくる果汁)は引き抜いてロゼに回します。
つまり皮に漬け込むジュースの量を減らすことでより色素と旨味を凝縮できるようにする訳です。

こちらがフリーランジュースを引き抜く前のジュース、色の淡いロゼのような色合いです。


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と、引き抜いた後、(ちょっと、光の具合で見えにくいですが...)


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収穫初日はここまで。

翌日からはルモンタージュで発酵と色素の抽出を促します。

今年は酵母が元気満々だった模様、ルモンタージュの効果もあってか7日で発酵が終わりました。


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こちらが発酵終わり際のジュース。
最初に比べるとしっかり色もついています。


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その後はアルコール発酵の終わったジュースをタンクから引き抜き、残った皮や果肉をプレス、そして発酵と同様にステンレスのタンクで春頃の瓶詰めまでゆっくりと寝かせます。



レミー曰く、
難しい事は何もしてないでしょ?
しっかりと畑仕事をして美味しいぶどうさえ収穫できればあとはワインは勝手に美味しくなっていくんだ。
このキュベブーの凝縮度と酸は日頃の畑仕事の賜物なんだよ。 
ぶどうの中に必要な要素が全て詰まっているからカーヴでやる事はすごくシンプル、特に何か(補糖や補酸、必要以上の酸化防止剤など)を足してやる必要もない。
シンプルで美味しいって一番良くない?

なるほど、ワイン造りはとてもシンプル、でもその裏にある畑仕事に費やす膨大な時間と努力がワインの味わいを支えているんですね。全くもっておっしゃる通りです。

さて2回にわたってキュベブーに密着してみましたがいかがだったでしょうか。
この記事を通じて前以上にキュベブーに愛着を持っていただければ嬉しく思います。


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