ボンジュール、がんです。
今書き綴っているのは仕込みのお話ですが、早いもので現在時間では畑でブドウ樹の剪定が始まっています。
何とかして書いているお話しと現在との時差を縮めて、出来るだけリアルタイムでお送りしたいなと思いつつ
頑張って書き進めていますが一向にその差が埋まる様子はなく...、
頑張って書き進めていますが一向にその差が埋まる様子はなく...、
このペースでいくと仕込みのお話しだけで軽く今年が終わってしまいそうです...
まあそれだけ濃密な期間だったんだね、と温かく長ーい目で見守っていただければ、と思う次第です。
まだまだカーヴでの仕事は続きますよ。
今回はデキュヴァ-ジュ、平たく言うと発酵が終わった赤ワインのプレス作業です。
皮や種も一緒に漬け込んで発酵させる赤ワイン、発酵が終わってほぼワインになった果汁は引き抜いて別のタンクに移しますが、残った皮や種 (=マール) もタンクから出してプレスにかけます。
特にそのマールをタンクから出す作業をデキュヴァージュと呼びます。
最初は入り口から掘り進めていきますがタンクの直径は2mは軽くありますからもちろん奥の方は入り口からは届かず、誰かがタンクの中に入って入り口近くへと掻き出してやらないといけません。
さて、誰が中に入るかという話になるとレミーとジャックは真っ先に、
「おいおいおい、こんな過酷な肉体労働を50近くのおっさんにやらすつもりかぁ?!」
普段は、俺らもまだまだ若いもんには負けてへんでぇ、とか言ってるんですがねえ...
という訳でがんがタンクの中へと入ります。
ジュースを抜いたとはいえ残ったマールは 1m ちょっとくらい厚みがあるでしょうか。
こちらがマールのアップ
地方によってはガトーとも言いますかね。
本来マールとは搾りかす、という意味でプレスしたあとの皮や種などの固形物を指しますが搾る前のものもマールと呼ぶようです。
ワインの蒸留酒であるマールも同じ意味、搾りかすを蒸留したものです。
タンク内は発酵で上昇した気温と豊富な湿気によって軽いサウナのようになっています。
ものの5分も経たないうちに滝のような汗が出てきますし、かつ、発酵が終わったとはいえ発酵時に発生した二酸化炭素はタンク内に充満している、つまり酸素が極端に少ない環境なのですぐに息が上がってしまう、というなかなかに過酷な状況です。
マールも水分を含んでいるのでなかなかに重たく、けっこうな重労働です。
ふぅ、今で半分くらい...ちょっと気を抜くと頭がクラクラとします。酸素が少ないっていうのが普段あまりない状況なので辛いです。
あ、あともう少し...
はい、終了ーです。このあと軽くタンクを水洗いしてようやく外に出れます。
この時で10月初旬あたりですが、掻き出し終わってタンクから出る頃にはTシャツが軽く絞れるくらいの汗...
デキュヴァージュするタンクは全部で10タンク。
2タンク目からは少しずつ慣れてきましたが多い時では1日で3タンク掘り出した日も。
さすがにその日は布団に入って3秒で熟睡でしたよ。
デキュヴァージュが終わればカーヴのお仕事もちょっと落ち着きます。