ボンジュール、がんです。
先週から8日間に渡って行われたフランス研修、大きな問題やアクシデントも起こることなく無事に終わりました。
フランス研修も今回で5回目になりますが色々な発見が毎回ありまして、とりわけ今回はマコンで孤高のワイン造りをしているフィリップ・ジャンボンの訪問が印象的でした。
これまでに自分が訪問した造り手とは一線を画すスタンスや考え方はまるで哲学者のよう。
ぶどうのポテンシャルを信じて最も美味しくなる時期を迎えるまで何年かかってもでも待ち続けるという強烈な信念、に加えて溢れんばかりのホスピタリティ。
17時に伺ってカーヴを出たのが23時過ぎ... 何とも濃密な時間を過ごさせていただきました。
さて、収穫時期に戻りましょう。
さてさて収穫ですよ。
記念すべき収穫初日は9月4日、シュナン・ブランとピノ・ノワールからスタートです。
当日は朝の4時にカーヴ集合、収穫機の準備と点検をして5時から収穫開始です。
この時期だと明るくなりだすのは7時前から、なので5時だとまだまだ真っ暗です。
そんな中、煌々とライトを灯して収穫スタートです。
畝をまたぐように機械が通っていくとぶどうは、
この様にぶどうの粒だけを綺麗に落としていく訳です。
ぶどう粒を枝に残すことなく、また潰すことなく収穫するにはぶどうの品種や区画、ぶどうの熟し具合によって、ぶどう樹を揺さぶる棒の強さ加減、機械の進むスピード、などを的確に調整しないといけません。
長年の経験があるからこそできるそれらの見極めと微調整、これがレミーの機械収穫でもぶどうを綺麗に収穫する「こだわりその1」です。
槽にある程度ぶどうが溜まるとトラクターに取り付けられた搬送用の槽に移します、こんな感じ。
一度、搬送用の槽にぶどうが移されると槽が満タンになっていなくてもカーヴへ運ばれます。
ここ、レミーの「こだわりその2」です。
ぶどうが収穫されてから出来るだけ早くカーヴに届くようにするため、
スーリエでは非常にこまめにぶどうをカーヴに運びます。
ほとんどの畑がアシニャン村周辺にあるので畑からカーヴまでは10分ほど。
なのでぶどうが収穫されてから30分も経たないうちにカーヴへと運ばれていきます。
こうしてぶどうが極力酸化しない内にタンクに入れる、もしくはプレスすることで酸化のリスクを抑えて
いるんです。
多くの機械収穫の造り手さんがぶどうの酸化を防ぐために収穫直後に酸化防止剤を添加していますが、
スーリエでは基本的にこの段階では酸化防止剤は添加しません。
ぶどうの状態によっては添加する事もあるそうですが、ごくごく微量、
2トン入りの槽に対して100ml、およそ0,2ppm の添加量となります。
これは成分分析にかけても検出されないレベルの添加量です。
この流れで「こだわりその3」も言っておきましょうか。
出来るだけぶどうの温度が低いうちに収穫します。
これも酸化のリスクを抑えるため。
皮をむいたリンゴを冷蔵庫に入れておくのと常温に置いておくのとでは常温においておいた方がすぐ変色しますよね?
それと同じ理論でぶどうの温度が低い方が酸化が進みにくいんです。
なのでスーリエでは収穫はぶどうの温度が低い午前中のみ、温度が上がり過ぎる正午以降は収穫しません。
収穫されたぶどうはカーヴ2階部分の外側に設けられた受け入れ口に移され
てベルトコンベアで醸造所内へと運ばれます。
てベルトコンベアで醸造所内へと運ばれます。
前回お話したように余計な葉っぱや枝、腐敗果などのない綺麗なぶどうばかりです。