Category: 岩ちゃんのフランス在住記

ボンジュール、がんです。

醸造のお仕事、具体的な仕事の内容について触れていきます。

まずは醸造の始まり、仕込みです。

仕込み、要は収穫してきたぶどうをタンクに入れていく、という作業です。

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収穫されたぶどう達。
収穫してきたぶどうはベンに入れられたまま、2~3日の間、冷蔵室で冷やされます。

これは発酵をより低温でゆっくりと行うためですが、この低温、長期間(約30日)の発酵がジャン・フォワイヤールの醸造における特徴の一つといえます。

一般的な醸造学では、発酵はできるだけ早く速やかに(3日から1週間)終わらせることが望ましい、ということなので、全く逆をいってるわけですね。

でもこの発酵方法がジャン・フォワイヤールのワインの個性である、繊細なアロマやミネラルを引き出しているのだと感じました。

ジャンは軽々とやってのけますが、ぶどうのパワーや自然の酵母がしっかりしているからこそできる業です。
やっぱりワインはぶどうの、つまりは畑の質で決まるんですね。

で、この良く冷やされたぶどうをタンクに入れていきます。もちろん手作業です。
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コンクリートタンクには大体ベン70個分のぶどうが入ります。2人がかりで一個づつ入れていくので、ほんと力仕事です。

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ぶどうは隙間なくぎっちりと詰めていきます。
名前分かんないですけど、プラスチックのでっかいフォークみたいなので隅っこのほうにもぶどうを敷き詰めていきます。
これも地味ですけど力の要る仕事です。

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ベン70個分入れ終わった、の図。

ほんとに完熟した、きれいなぶどうしか入っていないでしょ??
あの大変な収穫の賜物です。

収穫を一緒にやってて感じましたが、ヴァンダンジェー一人ひとりの選果のレベルが本当に高いです。
みんなジャンのワインが好きでわざわざ遠くから収穫に来ているので、その想いが仕事の一つ一つにこもっています。
仕事ぶりを見ててそう思うし、その結果がこのきれいなぶどう達ですから。

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このガスボンベ、そう、ガス・カルボニック(二酸化炭素)です。
ジャンのワインは全てマセラシオン・カルボニックで造ります。

これをタンクに注入して仕込みは終わり。

そう、これで終わり。
後は発酵が始まって、だんだんワインになっていくんです。
酵母が頑張るのを我々は見守るだけ... といっても他にも仕事はいっぱいありますが...

うん、酵母の力は偉大ですよ。

もっとも自分はキュヴェ・えすぽわーの一件で酵母の力を嫌というほど思い知らされてますけど(笑)

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どのタンクにどこの区画のぶどうをどれだけ入れたかはきっちりノートに記入します。
もちろん各タンクによって違いは出てくるので、その結果とノートを分析して良質の区画をリサーチしたりするんですね。
多分キュヴェ・π(3.14)なんかもこうしたリサーチから造られたんでしょうね。

※キュヴェ・π(3.14)
ジャン・フォワイヤールのトップ・キュヴェ。コート・ド・ピイの丘の中でも選りすぐりの区画のぶどうを使って醸造しています。

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タンクは主にコンクリートのタンクを使いますが、それだけに収まりきらないのでステンレスのタンクにも仕込みます。

かなり高所での作業ですが、が、頑張りましたよ...

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タンクにもぶどうを仕込んだ日と区画、量が記されます。

そうして次の日から前回紹介した朝のチェック、デンシテを行って果汁の状態、発酵の進み具合を見ていくわけです。

この仕込みの仕事をしていて、ワインを造るのって意外とシンプル、でも難しい、と感じました。

極端な話ですが、ぶどうをタンクに入れて、二酸化炭素を入れて、置いとくだけ、でワインになっていきます。
(またはぶどうをタンクに入れて、潰して置いとくだけ)

でも収穫するタイミング、ぶどうの良し悪しを選別する目利き、手を施すタイミング、などなど、どれも長年の経験と勘がないとできない事ばかりです。

シンプルだけど難しい、いや、シンプルだからこそ難しいんでしょうね。

う~ん、ワイン造りは奥が深い...

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