ボンジュール、がんです。
更新が遅くなってすみません。
今はフォワイヤール家にネット回線を借りて更新していますが、
更新しようとした日に限って来客があったり、どこかの造り手に飲みに行ったりで
なかなか思うように進みません。
お詫びというか、言い訳代わりに証拠写真を載せておきます。
来客の1人、ジャンのによって見事に撃沈した(笑) ジョルジュ・デコンブ氏です。
それはさておき、いよいよ収穫開始です。
仕事の流れとしてはぶどう樹1列につき1人が担当し、1人1個バケツとハサミを持って端っこからぶどうをどんどん摘み取っていきます。
完熟していないぶどうや乾燥しきったぶどう、腐敗したぶどうはその場で切り落とします。
やっぱりヴァンダンジェー達はめちゃめちゃ速いです。始めは一緒にスタートしても、一列100mくらいの長さなら自分が半分終わったころにはみんな一列終えて次の列に取り掛かるくらいです。
それでいて選果はきっちりとしているので、もうすごいとしか言いようがありません。プロ集団です。
こんなぶどうばっかりだったら言う事ないんですがそういう訳にもいきません。
選果されて切り落とされたぶどう達。ここの区画はまだ全然少ないほうです。雹の被害を受けた区画なんかは房ごとどんどん落としていきます。
貧乏性の自分にとっては見捨てるのが心苦しいですが涙を飲んで置いていきます。
ぶどうの房を摘み取るのは剪定用のハサミの他にこんな小っちゃい鎌みたいなのもあります。ベテランさんはハサミよりもこっちを好んで使う傾向があります。
中には素手でブチブチと引きちぎっていく強者もいますが...
ちなみに収穫をしているとぶどうの果汁で手がべとべとになります。トラックには水も用意していますがトラックまで戻る暇もないときは、まだ熟していない緑色のぶどうを潰してその果汁で手を洗います。未熟のぶどうは糖分がまだのってないのでべたべたがとれるという訳です。
まさに実体験の中から生まれた知恵。これにはかなり驚きました。
また、ヴァンダンジェーのうち2~3人は「ジャーロー」と呼ばれる役割を担当します。ジャーローは空のバケツを2~3個持って、
各人のバケツがぶどうで一杯になったらバケツを交換して”benne”ベンと呼ばれるカゴまで運びます。
ジャンの畑はコート・ド・ピュイをはじめ、丘や山といえるくらいきつい斜面の畑が多く、ジャーローも結構ハードな仕事です。
ベン
1つのベンにバケツ約8杯分のぶどうが入ります。ちなみにバケツは何の変哲もない、どこにでもありそうなバケツです(笑)
あと1人女性が交代で選果係を担当します。ヴァンダンジェー各人の選果はかなり厳しいのでそうそう悪いぶどうは入りませんが、
ジャーローがベンに入れたぶどうを丁寧に再チェックして悪いぶどうや葉っぱなどを取り除いていきます。
ジャンや常勤で働いているスタッフは主に収穫したぶどうの運搬や他の畑のぶどうをチェックして次に収穫する区画を決めていきます。
大漁の...いや、大量のぶどうたち。でも今年は天候に恵まれない年で豊作ではないんです。
畑で収穫されたぶどうは冷蔵室へ運ばれ、数日間保管されます。
これは低温でゆっくりと発酵を進めるためにぶどうの温度を下げます。
(ボージョレ・プリムールに関しては出荷時期の関係から冷蔵室に保管せずに、収穫したぶどうを直接タンクに入れて発酵を進めます。)
1枚のパレットにつき6個のベンを乗せて冷蔵室へ。各パレットにはどこの区画のぶどうかを書いたメモが挟まれます。
収穫した区画やぶどうの状態にもよりますが、だいたい1日に10~12パレット分のぶどうが運ばれます。
1つのベンに15~20kgぐらいぶどうが入っているので、一日の収穫量はだいたい150kgから250kgということですね。
夜は相変わらずこんな感じです。でも日が経つにつれて途中でリタイアする人も増えてきて、宴の終わる時間も早まってきました。
朝も早いし、仕事もハードなので疲れが溜まってくるんでしょうね。
それでも10Lのポリタンクは一日2個ペースでなくなっていきますが...