ボンジュール、がんです。
クザン家での仕事内容についてですが、まずは馬の世話からお話します。
一日の流れを見ても分かるように、馬の世話は仕事の約半分を占める大事な作業です。クザン家では全部で5頭の馬を所有しており、そのうちの何頭かは牧場に放しておき、交代で家の馬小屋に連れて帰って世話をします。
一日の仕事は馬小屋の掃除から始まります。
馬達を馬小屋の外に出して床に敷いているワラを外に出します。当然の事ながら馬小屋の中は香り高い空間です。
馬達の排出する、いわゆる堆肥の素たちがそこかしこにバラ撒かれて香りを放っています。その堆肥の素たちを三つ又(牧場でよく見かけるやつですね)で上手くワラに巻き込んで外に出していきます。
全て出し終えたら新しいワラをほぐして床に敷いていきます。かなりのボリュームがあるので結構重労働です。肉体的、精神的ともに辛い作業です。
トラックに山盛りの堆肥の素たちです。
これで約一週間分の量です。
次は馬の手入れです。主な手入れはブラッシングと蹄の泥掻きの二つです。
まずブラッシングですが、これも力のいる作業です。毛並みを整えるだけでなく、筋肉をマッサージする必要もあるためかなり力を込めてブラッシングします。
その後に蹄の泥掻きをおこないます。蹄の隙間、蹄と蹄鉄の間の泥を掻いていきますが、馬の脚を持ち上げるだけでも一苦労します。
馬達はなかなか言う事を聞いてくれません。暴れて足を踏まれることもしばしば。(馬に踏まれるとかなり痛いです。なんせ体重が500kgくらいありますし、蹄鉄も名前の通り鉄でできてますから・・・)
蹄の泥を掻く作業。
見た目以上に大変ですが重要な作業です。石等が挟まっていると馬は痛がって歩けません。人間で言うと靴の中に石が入っている状態ですから・・・
馬の手入れを終えてやっと馬具を取り付けていきます。馬具にも色々な種類があり馬が行う作業によって変えていきます。馬具も緩みがないようにきっちり締めていくにはけっこう力が要ります。
馬具の取り付け。
馬が暴れないように取り付けていくにもコツがあるようです。
馬具を取り付けてやっと畑にでます。
畑での作業が終わって家に戻ってからは馬具の取り外し、餌やり、馬具の手入れ(馬具はほとんどが革でできているので定期的にクリームを塗って保管しておきます)と帰ってからもやる事は山盛りあります。それが終わってやっと一日の仕事が終わります。
ぶどう畑での仕事だけでも大変なのに、それに加えて馬の世話も厭わないのはいいものを造りたいというワインに対するこだわり、情熱なんですね。
楽して美味しいワインはできない、流した汗の結晶がワインを美味しくさせるんだと痛感しました。